LNEWSは、物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信しています。





JR貨物、T2、日本通運/自動運転トラックと鉄道で相互補完輸送の実証を開始

2025年06月23日/3PL・物流企業

JR貨物とT2、日本通運は6月23日、国内初となる自動運転トラックと貨物鉄道を組み合わせた相互補完輸送モデル「モーダルコンビネーション」の実証実験を開始、貨物載せ替えの様子を公開した。

<トップリフターでコンテナを自動運転トラックへ載せ替える様子>
202506024T2 LRkamotsu NXHD01 710x445 - JR貨物、T2、日本通運/自動運転トラックと鉄道で相互補完輸送の実証を開始

第一弾として、雪印メグミルクの常温品(粉製品)を北海道-関西間で輸送する。実験の一部分として、JR貨物によって札幌貨物ターミナル駅から隅田川駅に貨物鉄道で運搬されたコンテナを、T2の自動運転トラックに載せ換える様子が公開された。

コンテナを積み込まれた自動運転トラックは、この後レベル2の自動運転を活用した高速道路での運送を経て、関西の百済貨物ターミナル駅まで貨物を送り届ける予定だ。日本通運は、貨物駅と顧客の物流拠点間の集貨・配達を担当する。

なお実験に先立ち、JR貨物とT2で31フィートの共用コンテナを共同開発しており、これにより貨物列車から自動運転トラックへの直接載せ替えが可能となっている。

<今回の実証ルートと役割のイメージ>
202506024T2 LRkamotsu NXHD02 710x128 - JR貨物、T2、日本通運/自動運転トラックと鉄道で相互補完輸送の実証を開始

この取り組みは、貨物鉄道輸送の全国ネットワークと、T2が有する自動運転トラック技術を融合させ、自動運転トラックと貨物鉄道の「モーダルコンビネーション」を実現することで、自動運転区間における輸送ルートの複線化を構築する他、柔軟な輸送力の増加が可能となる等、物流の可能性を広げることを目的としたものだ。

<JR貨物 土井広治 取締役兼常務執行役員 鉄道ロジスティクス本部長(左)とT2 森本成城 CEO(右)>
202506024T2 LRkamotsu NXHD03 710x409 - JR貨物、T2、日本通運/自動運転トラックと鉄道で相互補完輸送の実証を開始

JR貨物 土井広治 鉄道ロジスティクス本部長は、今後の展開について「幹線輸送力の拡充を進めつつ、各輸送の強みを生かしてBCP(災害時などの事業継続性)対策を強化していく」としたほか、モーダルコンビネーションによる創出について問われると「顧客の需要が多種多様なので、鉄道ダイヤの隙間うめなどさまざまな考えられる。今後仕組み作りを進めていきたい」と述べた。

T2 森本成城 CEOは、実用化に向けた将来的な見通しについて「自動運転トラックの台数が増えると、BCP対策や稼働・非稼働のバランス等を考える余裕が出てくるので、柔軟かつ安定した輸送を実現できると期待している。今後は荷主の理解があれば、異なる商品や異なる区間でも検討していきたい」と答えた。

JR貨物とT2は、将来的な構想について、貨物鉄道や自動運転トラック等を機動的に組み合わせ、省人化されたBCPに強い環境配慮型の次世代物流システム構築を目指す。

日本通運、JR貨物/屋根開く鉄道コンテナ開発、大成ユーレックと

関連記事

3PL・物流企業に関する最新ニュース

最新ニュース

OSZAR »